「ひらがなを教えたいけれど、子どもがなかなかやってくれない」
「鉛筆を持たせると嫌がる」
「書かせても、すぐに飽きてしまう」
年長さんになると、ひらがなの練習を始めたいと思うお母さんも多いと思います。
でも、いざ始めてみると、思ったようにはいかないものです。
何度教えても間違える。
すぐに遊びたがる。
お手本を見ても、全然違う字を書いてしまう。
そんな姿を見ると、
「小学校に間に合うのかな?」
と心配になってしまいますよね。
私は長年、幼児から小学生までの子どもたちを見てきました。
その経験から感じるのは、ひらがなを覚える早さにはかなり個人差があるということです。
だからこそ、私は幼児期のひらがな練習では、
「何文字覚えたか」よりも、「文字を書くことを嫌いにしないこと」
を大切にしてほしいと思っています。
この記事では、年長さんが家庭でひらがなを練習するときの進め方を、できるだけ具体的にお話しします。
昔は「いつの間にか覚えていた」ひらがな
私が長年子どもたちを見てきて、最近感じることがあります。
以前は、小学校に入る頃になると、子どもたちは絵本を読んでもらったり、自分で絵本を眺めたり、家の中にある文字を見たりする中で、いつの間にかひらがなを読めるようになっている子が多かったように思います。
ところが、今は少し環境が変わってきました。
本を読んでもらう時間が減り、代わりにタブレットや動画を見る時間が増えています。
もちろん、タブレットや動画が悪いということではありません。
便利ですし、子どもが楽しみながら学べるものもたくさんあります。
ただ、動画は見ているだけでもどんどん進んでいきます。
一方、本を読むときには、文字を目で追いながら、
「これは何て読むんだろう?」
「この字、前にも見たな」
と、自然に文字に触れることになります。
そのため、以前なら生活の中で自然に身についていたひらがなも、今は「意識して文字に触れる時間」を作ってあげることが必要になってきたように感じています。
「そのうち自然に覚えるだろう」
と思っていても、文字に触れる機会そのものが少なければ、なかなか覚えるきっかけがありません。
だからといって、毎日長時間ひらがなの勉強をする必要はありません。
一緒に絵本を読む。
看板の文字を見つける。
子どもの名前の文字を探してみる。
お手紙を書いてみる。
そんな小さな経験で十分です。
「いつか覚える」ではなく、「自然に覚えられる環境を少し作ってあげる」。
今の幼児期には、それが以前より大切になっているのかもしれません。
ひらがなを嫌がるなら、いきなり「書く」から始めなくてもいい
ひらがなを教えようと思うと、すぐに鉛筆とドリルを用意したくなります。
でも、子どもによっては、
「ひらがなを書いて」
と言われただけで嫌になってしまいます。
そんなときは、無理に書かせなくても大丈夫です。
まずは、文字に興味を持つところから始めてみましょう。
例えば、
「これ、なんて書いてあるかな?」
「○○ちゃんの名前の『あ』はどれかな?」
「この絵本の中に『か』があるよ。探してみよう」
など。
書く前に、
見る → 見つける → 読む
という経験を増やします。
「勉強をさせる」というより、遊びの中に文字を入れていくイメージです。
最初は「自分の名前」から始める
ひらがなを教えるとき、私がおすすめしたいのは子どもの名前から始めることです。
自分の名前は、子どもにとって特別な文字だからです。
例えば「さくら」ちゃんなら、
「さくらちゃんの『さ』って、どれかな?」
と探してみます。
「この『さ』、さくらちゃんの『さ』と同じだね」
と、身近な言葉と文字を結びつけていきます。
そして、少しずつ書く練習へ。
最初から「さくら」と全部書かせる必要はありません。
まず「さ」だけ。
できたら「く」。
そして「ら」。
というように、一文字ずつでもいいのです。
「書く」前に、手をたくさん使わせる
実は、ひらがなを書くためには、鉛筆の練習だけが必要なのではありません。
鉛筆を持って文字を書くには、手や指を細かく動かす力も必要です。
だから幼児期には、次のような遊びもおすすめです。
お絵描きをする
自由に絵を描く。
丸を描く。
線を描く。
ぐるぐる描く。
こうした経験も、鉛筆を動かす練習になります。
迷路をする
迷路もおすすめです。
線からはみ出さないように進むことで、鉛筆をコントロールする練習になります。
シールを貼る
小さなシールを指でつまんで貼ることも、手先を使う遊びになります。
「ここに貼ってね」
と場所を指定してあげると、楽しみながら取り組めます。
折り紙をする
折り紙も、指先を使う良い遊びです。
折る、つまむ、押さえるという動作を繰り返します。
はさみを使う
安全に配慮しながら、はさみを使った工作もおすすめです。
切る、持つ、動かす。
いろいろな手の動きが経験できます。
幼児期は「勉強」だけではなく、遊びの中で手を使う経験をたくさんしておくことも大切です。
ひらがなは「見る→読む→書く」の順番で
ひらがなを覚えるとき、
「書いて覚えなさい」
とする必要はありません。
私は、
見る
↓
読む
↓
書いてみる
という流れが取り組みやすいと思います。
例えば「りんご」という言葉。
まず、りんごの絵を見る。
「りんご」と言う。
「り」という文字を見る。
「り」と言ってみる。
そして、書いてみる。
このように、実物や言葉と文字を結びつけることで、ただ形を写すだけではない学びになります。
一度にたくさんの文字を覚えさせなくても大丈夫
ひらがなは46文字あります。
「全部覚えさせなくちゃ」
と思うと、お母さんも子どもも大変です。
今日は「あ」。
明日は「い」。
というやり方でもいいのです。
また、子どもが興味を持った文字から始めても構いません。
「おばあちゃんの『お』を探してみよう」
「好きな食べ物の『り』を書いてみよう」
など、興味のある言葉を利用してみてください。
「今日はこれが書けた!」という小さな成功を積み重ねることが大切です。
1日5分でも十分。長時間やらなくていい
幼児の家庭学習では、長時間机に座らせる必要はありません。
むしろ、嫌になってしまうほど続けるより、
「もう少しやりたい」
くらいで終わる方がいい場合もあります。
例えば、
月曜日
「あ」「い」を書いてみる
火曜日
「う」「え」を書いてみる
水曜日
前の日の文字を復習する
というように、短い時間で少しずつ。
もちろん、子どもがもっとやりたがるなら、その気持ちを大切にしてもいいでしょう。
大切なのは、子どもの様子を見ながら無理なく続けることです。
「昨日できたのに今日はできない」こともあります
幼児期には、
「昨日は書けたのに、今日は書けない」
ということもあります。
これは珍しいことではありません。
大人からすると、
「昨日できたんだから、今日もできるはず」
と思ってしまいます。
でも、子どもはその日の体調や気分によっても違います。
眠い。
疲れている。
遊びたい。
今日は別のことに興味がある。
そんなこともあります。
だから、
「昨日できたでしょ!」
と責めるより、
「今日はここまでにしようか」
と切り上げることも大切です。
「お手本通りに書けない」ときは、まず形を一緒に見てみる
ひらがなを書くとき、子どもが苦手にしやすい文字があります。
「ぬ」「ね」「め」「む」など、形が複雑な文字です。
そんなときは、何度も書かせるより、
「この字、どこから始まっているかな?」
「ここが丸くなっているね」
と、一緒に文字の形を見てみましょう。
そして、書き順を確認しながら、一画ずつゆっくり書いてみます。
たくさん書くことより、正しく見て書くこと。
これを意識してみてください。
「書けた!」を見つけてあげる
ひらがなの練習で一番大切にしてほしいのが、これです。
子どもが書いた字を見て、
「ここ、上手に書けたね」
と、できたところを見つけてあげてください。
例えば、
「『あ』の最後のところ、きれいに書けたね」
「前より大きく書けるようになったね」
「今日は自分から書いてみたね」
など。
文字そのものだけでなく、
「やってみたこと」
も認めてあげてください。
子どもにとって、
「できた!」
という気持ちは、次に挑戦する力になります。
こんなときは、いったん練習をやめてもいい
毎日練習しなければいけない、と思わなくても大丈夫です。
子どもが、
「やりたくない」
と言っているのに無理に続けると、ひらがなそのものを嫌いになってしまうことがあります。
そんな日は、
「じゃあ今日は絵本を読もうか」
でもいいのです。
「今日はお休み!」
とするのも一つです。
幼児期は、ひらがなだけが勉強ではありません。
本を読む。
外で遊ぶ。
友達と遊ぶ。
自然に触れる。
工作をする。
お手伝いをする。
いろいろな経験をすることも、子どもの成長には大切です。
ひらがな教材は「今の子どもに合うもの」を選ぶ
家庭でひらがなを練習するなら、教材も上手に利用しましょう。
ただし、人気の教材を何冊も買う必要はありません。
大切なのは、
「今の子どもに合っているか」
です。
まだ鉛筆に慣れていない子
線や丸などから始められる教材。
ひらがなを読み始めた子
読むことと書くことを一緒に練習できる教材。
ひらがなを書けるようになってきた子
書き順や文字の形を確認できる教材。
というように、今できることに合わせて選びましょう。
教材を選ぶときは、対象年齢だけでなく、実際の中身を見て、お子さんが「これならできそう」と思えるものを選ぶことをおすすめします。
幼児期は「ひらがなだけ」にしないでほしい
ここは、私が長年子どもたちを見てきて、特にお伝えしたいことです。
小学校入学が近づくと、
「ひらがなを覚えさせないと」
「数字もできるようにしないと」
「足し算もやらせた方がいいかな」
と、学習のことばかりが気になってしまうことがあります。
でも、幼児期だからこそできることもたくさんあります。
本を読む。
外で思い切り遊ぶ。
いろいろな人と関わる。
自然を見る。
音楽を聴く。
体を動かす。
自分で考えて遊ぶ。
お手伝いをする。
こうした経験も、子どもの中に少しずつ積み重なっていきます。
私は、幼児期は学習教室に行くことだけが大切なのではないと思っています。
たくさんの経験をして、
「これは何だろう?」
「やってみたい!」
「もっと知りたい!」
という気持ちを育てること。
それが、後から学ぶ力にもつながっていくと思っています。
だからこそ、
ひらがなは少しずつ。
遊びもたくさん。
本もたくさん。
そんなバランスを大切にしてほしいと思います。
おすすめの教材
書くことに慣れていないお子さんには、手を器用に使えるよう工作や折り紙などから始めると良いですよ
4から6才用です。ちょっと難しいかな?と思ったらもう少し簡単なものもありますのでお子さんの状況を見て選んでください。
かわいいもの、親子で折るものなど色々ありますが、簡単にでき手先が器用になることを目的に選んでいます。お子様の状況を見てお選びください。
鉛筆に慣れていないお子さんには、点つなぎやぬりえ、迷路などが無理なく始められます。
簡単なレベルで始まり、どんどん難しくなっていくのが楽しいようです。 品質面でも、ハイクオリティで色彩センスが良く、仕上がりを予測しながら楽しめます。 絵柄については、かわいい絵柄や色遣いが素晴らしいと評判です。
ひも状、管状、部屋状、条件つきなど、さまざまな平面または立体迷路に挑戦します。初めてめいろに挑戦するお子さんは少し難しいかもしれませんので、もう少し易しめなものを選んでください。
ひらがなを書くには紙面が大きく、ページの少ない薄いものを選び、終わったら次の教材で練習すると達成感を感じます。
教室でも使っているおすすめですよ詳しく見る

まとめ|ひらがなは「教え込む」より「好きになる」
年長さんのひらがな練習で大切なのは、できるだけ早く全部の文字を覚えさせることではありません。
まずは、
文字を見る。
文字を読む。
自分の名前を書く。
そして、少しずつ書ける文字を増やしていく。
嫌がったら、いったん休む。
できたら、一緒に喜ぶ。
そんな繰り返しで十分です。
そして、ひらがなの練習だけに目を向けず、本を読んだり、遊んだり、いろいろな経験もたくさんさせてあげてください。
幼児期は、子どもがいろいろなことに興味を持ち、吸収していく大切な時期です。
「できるようにしなければ」ではなく、「やってみたい」を育てる。
その中で、ひらがなにも少しずつ親しんでいけばいいのです。
小学校入学までの時間を、親子で焦らず、楽しく過ごしてください。
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