「もうすぐ小学生。入学前に、何ができるようになっていたらいいの?」
年長さんになると、こんな心配をするお父さん、お母さんも多いのではないでしょうか。
ひらがなは読めればいい?
自分の名前が書ければ十分?
数字は1から10まで数えられればいい?
足し算や引き算もできるようにしておいた方がいい?
小学校入学前になると、いろいろな情報が目に入ってきて、かえって何をすればいいのかわからなくなることもあります。
私は長年、幼児から小学生までの子どもたちを教えてきました。
その経験から、入学前のお子さんを持つお母さんに伝えたいことがあります。
それは、
「小学校の勉強を何でも先取りする必要はない。でも、基本的なことは、できるところまで準備しておいた方がいい」
ということです。
なぜなら、基本的なことが身についていると、小学校に入ってから新しく習うことに集中するための「ゆとり」ができるからです。
この記事では、私が長年子どもたちを見てきて感じる「小学校入学前にやっておきたいこと」と、家庭で使いやすい教材をご紹介します。
小学校入学前に一番大切なのは「先取り」ではなく「ゆとり」
小学校に入ると、子どもたちは一気にたくさんのことを学び始めます。
先生の話を聞く。
教科書を開く。
ノートに書く。
文字を書く。
数字を書く。
問題を読んで考える。
友達と一緒に活動する。
これまでとは違う生活が始まります。
だからこそ、入学前に基本的なことをある程度身につけておくと、学校で新しく習うことに力を使えるようになります。
例えば、ひらがなの書き方を一文字ずつ考えながら書いている子と、ある程度スムーズに書ける子では、同じ授業を受けても疲れ方が違います。
これは数字についても同じです。
だから私は、
「入学前は何もしなくていい」
とは思っていません。
できることは、できるところまで準備しておく。
ただし、難しいことを先取りしすぎる必要もありません。
このバランスが大切だと思っています。
幼児期は、勉強だけではなく「さまざまな経験」を
小学校入学前になると、
「ひらがなをもっと覚えさせた方がいいかな?」
「算数も先にやっておいた方がいいかな?」
と、学習のことが気になると思います。
でも、私は幼児期には、学習教室に通って勉強することだけが大切なのではないと思っています。
むしろ幼児期には、
本をたくさん読む。
外で思いっきり遊ぶ。
いろいろな場所に行く。
自然に触れる。
人と関わる。
お手伝いをする。
音楽を聴いたり、楽器に触れたりする。
体を動かす。
いろいろなものを見て、触って、感じる。
こうしたさまざまな経験をすることが、後から伸びていく力につながると、私は長年子どもたちを見てきて感じています。
だから、
「小学校に入る前に、勉強をたくさんさせなければ」
と焦る必要はありません。
幼児期だからこそできる経験を、たくさんさせてあげてほしいと思います。
幼児期に「好き」を見つけることも大切
一方で、幼児期は、興味を持ったことをどんどん吸収していく時期でもあります。
音楽、体操、運動、そろばん、英会話など、いろいろな習い事があります。
もちろん、すべてを習う必要はありません。
大切なのは、その子が興味を持ったものを見つけること。
そして、
「楽しい!」
「もっとやってみたい!」
という気持ちを大切にすることです。
例えば、数が好きな子なら、遊びの中で数に触れたり、そろばんを始めてみたり。
音楽が好きなら、歌ったり楽器に触れたり。
体を動かすのが好きなら、思い切り体を動かしたり。
英語に興味があるなら、英語の歌や外国人の先生との会話を楽しんだり。
幼児期は、「できるようにする」ことより、「好きになるきっかけを作る」ことを大切にしてほしいと思います。
そして、その「好き」が、小学校に入ってからの学びにもつながっていくのではないでしょうか。
私が長年子どもたちを見てきて感じるのは、幼児期にたくさんの経験をして、いろいろなことに興味を持った子は、その後の学びにもつながりやすいということです。
だからこそ、小学校入学前は「勉強だけ」に目を向けるのではなく、
本を読むこと。
遊ぶこと。
体を動かすこと。
人と関わること。
好きなことを見つけること。
そして、必要なところは少しずつ学習の準備をする。
そんなバランスが、私は大切だと思っています。
小学校入学前にしておきたい生活面の準備
人の話を聞けるようにしておく
学習以前に、私が大切だと思っているのが、
「人の話を聞くこと」
です。
小学校では、先生がみんなに向かって説明する時間がたくさんあります。
「教科書を出しましょう」
「ここを見てください」
「この問題をやってみましょう」
という説明を聞いて、自分で行動しなければいけません。
もちろん、入学したその日から完璧にできる必要はありません。
でも、家庭でも、
- 絵本を最後まで聞く
- お手伝いの説明を聞いてやってみる
- お母さんやお父さんの話を最後まで聞く
という経験を少しずつ増やしておきたいですね。
「聞く力」は、学校で学ぶための土台です。
自分のことを自分でやってみる
もう一つ大切なのが、
「自分のことを自分でやってみる」
ことです。
例えば、
- 着替える
- 靴を履く
- 脱いだものを片付ける
- 自分の荷物を持つ
- トイレを一人でする
- ハンカチやティッシュを準備する
など。
全部完璧にできなくても大丈夫です。
時間がかかっても、
「自分でやってみる」
経験を増やしてあげてください。
困ったときに「教えてください」と言える
学校では、わからないことや困ることが必ずあります。
そのとき、
「わかりません」
「もう一度教えてください」
「手伝ってください」
と言えることも大切です。
「わからないことは恥ずかしいことではない」ということを、家庭でも伝えておきたいですね。
小学校入学前のひらがなは、どこまでできればいい?
ひらがなは「読める」だけでなく、書けるところまで
「入学前は、自分の名前が読めて書ければ十分」
という考え方もあります。
もちろん、それでも小学校には入学できます。
でも、長年子どもたちを見てきた私の本音を言えば、できるなら、ひらがなは入学前に書き順を意識して書けるところまで練習しておくことをおすすめします。
小学校に入ると、文字を書く機会が一気に増えます。
名前を書く。
プリントに書く。
ノートに書く。
先生が黒板に書いたことを書く。
そのとき、ひらがなの形や書き順がまだよくわからないと、「文字を書く」ということだけでかなり力を使います。
反対に、ある程度スムーズに書けるようになっていると、学校で新しく習う内容に集中しやすくなります。
だから、
「完璧に全部書けなければいけない」ということではありません。
でも、
できるところまで練習しておく。
これが、入学後の「ゆとり」につながると思っています。
ひらがなの練習におすすめの教材
ひらがなをこれから練習するなら、子どもが取り組みやすい教材を1冊選んで、毎日少しずつ進めるのがおすすめです。
【おすすめ教材】
大判サイズでのびのび書いて、きれいな文字を楽しくマスター! くり返し練習&やる気アップの工夫で、毎日続けたくなる1冊です。
◆たっぷり練習できる充実の構成
・大きな紙面で、1文字を表裏2ページ使って練習します。
・1文字につき、3つのサイズで計16回分の練習スペースを用意。ムリなく反復できます。
・ふろくの「おけいこボード」でくり返し練習できます。
◆正しく・美しく書くためのしくみ
・それぞれの文字には「正しく書くポイント」「美しく書くポイント」を掲載。親子でいっしょに確認しながら取り組めます。
・書き始めに印を入れているので、美しい文字を確認しながら書けます。
◆はじめての文字練習でも安心
・線を書く練習や、お手本を指でなぞるところから始められます。
・ぬり絵やしりとりなどのミニコーナーもあります。
◆やる気を応援する工夫も
・裏面にごほうびメッセージを書ける「表彰状」
・書けた喜びを実感できる「できたよシール」
大切なのは、ただ何ページもこなすことではなく、正しい書き順を意識して書くことです。
小学校入学前の算数は、何ができればいい?
数字は「書ける」だけでなく、物と数字を一致させる
算数についても、私は同じように考えています。
「1、2、3……」と数を言えることはもちろん大切です。
でも、それだけではありません。
例えば、りんごが5個並んでいる。
「いくつある?」
と聞かれて、
「5個」
とわかる。
そして、
「5」という数字と、その5個が結びつく。
さらに、自分で「5」と書ける。
このつながりが大切です。
つまり、
実際の物の数
↓
数字
↓
数字を書く
という経験です。
これができていると、小学校で算数を学ぶときの土台になります。
数字も正しい書き順を身につける
数字についても、私はできれば入学前に正しい書き順で書けるようにしておくことをおすすめします。
「1」と書く。
「2」と書く。
「3」と書く。
こうした基本的なことがスムーズにできると、学校で新しく学ぶことに集中しやすくなります。
数字を書くことに時間がかかってしまうと、それだけで疲れてしまうからです。
入学前は難しい計算問題をたくさん解くより、
数字を正しく書くこと。
物の数と数字を一致させること。
数の順番を理解すること。
こうした基本を大切にしてほしいと思います。
1から10だけでなく、10から1まで数えてみる
算数の準備として、もう一つおすすめしたいことがあります。
それは、
1から10までスムーズに数えること。
そして、
10から1まで逆に数えること。
です。
例えば、
「1、2、3、4……10」
だけではなく、
「10、9、8、7……1」
と逆にも言えるようにしてみましょう。
これは、引き算の理解にもつながります。
例えば、
10-3
なら、
10から
9、8、7
と3つ戻ります。
この「数が減っていく感覚」が身についていると、引き算を学ぶときにも理解しやすくなります。
足し算・引き算は入学前にどこまで必要?
意味がわからないまま先取りしなくてもいい
ここは、とても大切です。
私は、入学前から足し算・引き算の問題をたくさん解かせる必要はないと思っています。
それよりも、
「これとこれを一緒にしたら、いくつになるかな?」
ということがわかる経験のほうが大切です。
例えば、
りんごが3個。
そこに2個持ってきた。
「全部でいくつ?」
お菓子が5個。
2個食べた。
「あといくつ残っている?」
こうした経験です。
実際の物を使って、
増える
減る
ということを体験しておく。
それが、学校で習う足し算・引き算につながっていきます。
計算の答えを先に覚えるより、
「なぜ5になるのか」
がわかることのほうが大切です。
小学校入学前におすすめの算数教材
数と量を目で見て学べる「玉そろばん」
「数を言えるけれど、物の数と数字がまだ結びついていない」
という場合には、実際に玉を動かしながら数を確認できる教材も便利です。
例えば、くもんの玉そろばん120。
玉を動かしながら、数のまとまりや順序を視覚的に確認できます。
【双色ビジュアルで 算数を直感理解】
算数の基礎概念をに伝えるため、「5」「10」を基準に玉を双色で色分けしたビジュアルデザインを採用しています。
【手先・集中力 同時に育成】
細かい玉を指で動かす操作で、の手先の器用さを鍛えると同時に、「指定の数を作る」「簡単な加減算を解く」といった目標を達成する過程で、持続的な集中力を養成します。
【触れる学習で 記憶を長期定着】
抽象的な数字を「手で触れて動かす」ことで、数のパターンや計算の規則を具体的な体験として記憶に刻み込みます。
【学習カードで 自主学習を支援】
本製品には難易度別(数え上げ~簡単な加減算)の学習カードと消せるペンが付属しています。
【環境木材 安全・長期使用】
健康を第一に考慮し、有害化学物質を含まない環境配慮型木材を使用してしています。
ドリルだけでは数のイメージがつかみにくいお子さんなら、こうした「実際に動かして考える」教材を取り入れるのも一つの方法です。
小学校入学前の時計の準備
時計は生活の中で覚える
時計も入学前に少しずつ慣れておきたいものです。
ただ、時計の問題をたくさん解くより、
「7時になったら朝ごはん」
「長い針が6になったらお風呂」
など、生活の中で時計を見る習慣を作る方が取り組みやすいでしょう。
針を実際に動かして学べる時計教材
実際に針を動かして時計を学べる教材もあります。
例えば、くもんの「くるくるレッスン」。
針を自分で回して時計の読み方を練習する「時計のおもちゃ」です。針と同じ色の数字を読むだけで、正しい時刻がわかります。アナログ表示だけでなく、針と連動する「デジタル表示」もありますので、正しい時刻が簡単に確認できます。
「今何時?」と聞くだけでなく、
「あと何分で○○しよう」と、
生活と時計を結びつけて使ってみてください。
入学準備をまとめてできる教材
「何を買えばいいかわからない」という方に
「ひらがな、数字、時計……いろいろな教材を一冊ずつ選ぶのは大変」
というご家庭には、入学準備をまとめてできる教材もあります。
例えば、学研の入学準備教材。
ひらがなや数だけでなく、生活面など、小学校入学前に触れておきたい内容をまとめて確認できるタイプがあります。
9大特別教材つきで、楽しく学習できる!
1.1年生じゅんびブック
2.プログラミング・おかね おためしワーク
3.ひらがな・かたかな・かん字ポスター
4.1年生じょうぎセット
5.かいてけせる おけいこボード
6.くるくる とけいボード
7.がんばりシール
8.たしかめよう!ぼうはんあんしんポスター
9.おぼえておこう!いかのおすしおやくそくポスター
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本誌…「こくご」「さんすう」「せいかつ」この1冊で完成!
・小学校入学までに必要な、「もじ」 「かず(とけい)」 「せいかつ(ちえ)」を1冊で!
・「学研教室」とのコラボ版で、たし算学習でつまずかない。
・1年生の簡単な漢字まで理解できます。
一冊でいろいろな分野を確認できるので、
「入学前に何を準備したらいいのかわからない」という
ご家庭には使いやすいと思います。
小学校入学前に「そろばん」を始めるのもおすすめ
そろばんで数に親しむ
そして、私が入学前の子どもたちにおすすめしたいものの一つが、そろばんです。
そろばんというと、
「計算が速くなるもの」
と思われることが多いと思います。
もちろん、それもそろばんの魅力です。
でも、入学前の子どもにとっては、
数を目で見て、珠を動かして、数の変化を感じる経験
にも意味があります。
筆算を習う前からそろばんをする意味
学校で筆算を習う前からそろばんに取り組んでいると、学習が進むにつれて、
頭の中でそろばんの珠を動かすようにして計算する
暗算につながっていく子もいます。
また、そろばんを通して数に触れることで、
「数の感覚」
も育っていきます。
入学前なら、難しい計算をどんどんやらせるというより、
「数っておもしろい」
「できた!」
という経験を大切にしてほしいと思います。
また、そろばんは計算力はもちろん、集中力、論理思考力、非認知能力の育てます。
お近くのそろばん教室を探してみる
全国珠算連盟 https://www.soroban.or.jp/school/
小学校入学前におすすめの教材をまとめました
教材は、たくさん買えばいいというものではありません。
お子さんの今の状態に合わせて選びましょう。
ひらがながまだ不安
ひらがなの入門教材
ようじのかきかたノート(エジソンクラブ)

ひらがなは書けるけれど、書き順が不安
数字は言えるけれど、書くのが苦手
すうじれんしゅうちょう(エジソンクラブ)

- すうじのかきかたの入門
- 1色刷 A4サイズ / 15ページ
- このノートで繰り返し学習すると、すうじがきれいに書けるようになります。
- 1~10までのすうじのかきかた練習、自然に書き順が身につきます。
- ページが少ないので達成感があります。
数と物の数が結びつかない
時計が苦手
入学準備をまとめてしたい
れんしゅうちょう入門シリーズ(エジソンクラブ)

教室でも使っているおすすめの教材です。
- 年長向けのもじ・かず・ずけいの総合教材 入門シリーズのセット
- かぞえたり、なぞったりの簡単な学習から始まります。物と数の対応を中心に、数概念の基礎を学びます。
- シールを使った遊びやぬり絵で楽しく学べ、自然に学習する習慣が身につきます。
- 1から12各1冊ずつのセット。数える・かきかた・文章題(基礎)・切り絵パズル・漢字シールなど38項目で構成。
座って学習する習慣をつけたい
勉強ではなく「もっとたくさんやりたい、遊びのようなもの」として楽しめる算数パズル。
就学前の子に楽しんでもらえるよう、問題文が少なく、読み聞かせながら使えるように作られています。
間違い探しに特化したドリル。キャラクターのうんこたぬきとうんこきつねを中心とした、ストーリーを楽しみながら、参加型の間違い探しに挑戦し、観察力と集中力を身につけます! 4ページを使った迫力満点な間違い探しやおまけの絵探し問題もあり、解きごたえのある大満足のドリルです!
「今の我が子に何が必要か」から選ぶことが大切です。
小学校入学前チェックリスト
生活面
□ 人の話を聞くことができる
□ 自分で着替える
□ 靴を履く
□ 自分の荷物を持つ
□ トイレを一人で使う
□ 挨拶ができる
□ 困ったときに「教えて」と言える
ひらがな・文字
□ ひらがなを読むことができる
□ 自分の名前を書ける
□ 身近なひらがなを書ける
□ 正しい書き順を意識して書ける
数・算数
□ 1~10までスムーズに数えられる
□ 10~1まで逆に数えられる
□ 物の数と数字が一致する
□ 数字を書くことができる
□ 数字を正しい書き順で書ける
□ 「合わせるといくつ」「減るといくつ」がイメージできる
全部できなければいけないわけではありません。
でも、できるところまで準備しておくことで、小学校に入ってから新しく学ぶことに使える「ゆとり」が生まれます。
まとめ|小学校入学前は「先取り」より「ゆとり」を
小学校入学前になると、
「もっと勉強させたほうがいいのかな?」
と不安になることがあります。
でも、私は、難しい問題をたくさん先取りすることをおすすめしたいわけではありません。
大切なのは、
ひらがなを正しく書く。
数字を正しく書く。
物の数と数字を結びつける。
数が増えたり減ったりすることを理解する。
人の話を聞く。
自分のことを自分でやってみる。
こうした基本的なことを、できるところまで身につけておくことです。
そうすれば、小学校に入ったとき、
「文字を書くこと」
「数字を書くこと」
に一生懸命になりすぎず、先生の話を聞いたり、新しく習うことを考えたりすることに力を使えるようになります。
私は、それが「入学後のゆとり」につながると思っています。
そして何より、
「できた!」
という経験をたくさん積んで、
「小学校って楽しそう。やってみたい!」
という気持ちで入学してほしいと思います。
小学校入学は、子どもにとって大きな一歩。
親子で焦らず、でもできることは少しずつ準備して、楽しいスタートを迎えてください。

